身近な相談窓口「地域包括支援センター」


地域の相談窓口

突然介護が必要になったとき、何をどうすればいいのかわからず不安になってしまうかもしれません。そのようなときに頼りになるのが「地域包括支援センター」です。大体、中学校区にひとつの割合で設置されているので近所の地域包括支援センターを利用するといいでしょう。
地域包括支援センターにはケアマネジャーを始め、保健師や社会福祉士、看護師、医療の専門家がいます。介護のことはもちろん、健康や福祉、医療について高齢者本人や家族の悩みを聞き、必要な対策を講じてくれます。例えば、介護保険サービスの利用方法や介護生活にかかる費用、引きこもりがちになった親や徘徊する親の対処、高齢者向け住宅への住み替え、成年後見制度の利用方法など、幅広い内容を無料で相談できます。

地域包括支援センターの機能とは

地域包括支援センターでは「介護予防ケアマネジメント」「総合相談」「権利擁護」「包括的・継続的ケアマネジメント」の4つの業務を担っています。
「介護予防ケアマネジメント」とは、要支援と認定された人や支援や介護の必要性が高い人を対象とし、身体状況の悪化を防いで自立した生活が継続できるように介護予防を目的としたサポートを行うことです。具体的には介護予防ケアプランを作成したり、歩行の状態を見て移動能力を見極めたり、日常生活や健康管理、精神面の状態を把握したり、社会生活や対人関係の様子を確認したり、などです。その上で、近い将来介護が必要になる可能性が高い高齢者には運動機能の向上や閉じこもり予防、認知機能低下予防、うつ予防など適切な介護予防サービスを紹介します。
「総合相談」とは高齢者のさまざまな相談に対応していくことです。困っていることは何かをじっくりと聞き出し、必要なサービスを紹介します。
「権利擁護」とは、高齢者が安心して生活できるようにさまざまな権利を守ることです。判断能力が低下して金銭管理が難しくなった高齢者を狙った詐欺から身を守るために成年後見制度を活用したり、虐待被害の早期発見・適切な対応、などに取り組んでいます。
「包括的・継続的ケアマネジメント」とは、高齢者が暮らしやすい地域にするために医療・保険・介護の専門家だけではなく、地域の住民まで幅広いネットワークを作り、そこで暮らす高齢者をサポートすることです。

地域包括支援センターの利用について

地域包括支援センターは対象地域に住んでいる65歳以上の高齢者や介護に携わっている人が利用できる施設です。親と離れて暮らしている場合は自分の住んでいる場所の地域包括支援センターではなく、親が住んでいる場所の地域包括支援センターを利用します。
ただし、思い立ってそのまま足を運んでも相談内容が曖昧だと適切なアドバイスはすぐにもらえません。スムーズに相談できるように事前におさえておくべきポイントをまとめている「地域包括支援センターの賢い利用法」から、利用のコツをおさえておきましょう。

NEWS

  • 介護は突然やってくる
    介護は突然やってくる

    厚生労働省の調査によって、要介護と認定されるのは75歳以上の人に多いことがわかりました。親の年齢が75歳前後の人はいつ介護が始まってもおかしくないと考えておきしょう。段差につまずいてよろけたり、電気代やガス代の請求がいつもと違ったりしていたら介護が必要な状態になっている可能性があります。様子を細かく確認していきましょう。

  • 望んでいる介護のかたちを共有する
    望んでいる介護のかたちを共有する

    住み慣れた自宅で介護を希望する人が増えていますが、介護度によって必要となる手助けの程度は違います。自立した生活が送れる状態なら自宅での介護もそれほど難しくありませんが、寝たきりなどの重度の場合は家族よりも介護に詳しい職員がいる介護施設の方がいい場合もあります。本人の希望を優先したいところですが、段階によっては難しくなることも事前に話し合っておきましょう。

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    介護の人材育成と処遇改善

    医療の進歩により平均寿命は年々延びています。しかしその一方で、出生数は下降の一途をたどっているため、働いている世代よりも介護を必要とする高齢者の方が多い状況です。現在、介護人材不足が問題となっていますが、少しでも多くの人材を確保しようと国もさまざまな対策を講じています。ここでは国が行っているイメージ改善と処遇改善について詳しく紹介します。