介護は突然やってくる


まずは状態を確かめる

親が高齢といわれる年齢になると「介護」という言葉が頭をよぎるようになります。健康で生活していると思っていても、よく見てみると、歩く速度が遅くなったり、段差でつまずいてよろけていたり、と以前よりも動作が鈍くなっていることに気付くかもしれません。これは介護の準備を始めるサインなので見逃さないようにしましょう。ですが、離れて暮らしている人はこまめに様子を確認することはできません。変化や予兆にすぐに気付けないため、急に介護が必要になったときに慌ててしまうでしょう。日頃からコミュニケーションをとり、必要な知識を身につけるなどして備えておきましょう。

介護を必要とするのは75歳以上が多い

介護認定者は75歳以上で急増するといわれています。厚生労働省の調査によると、65歳~75歳と75歳以上と比較すると75歳以上の要支援は6倍に、要介護は7倍になっていることがわかりました。この結果から75歳前後に介護が必要になる人が多い、と予測できます。親の年齢が75歳前後の人は突然介護が訪れる可能性が高いことを考慮しておきましょう。以下に、介護が必要かどうか判断する項目を紹介するので、チェックがつくかどうか照らし合わせてみてください。

  • ・歩くスピードが遅く、つまずく頻度が増えた
  • ・食が細くなり体重が落ちている
  • ・日常的に服薬する薬の種類や量が増えた
  • ・入浴を面倒に思うようになった
  • ・外出が億劫になり家に引きこもりがちである
  • ・同じ服ばかりを着て洗濯をしない
  • ・トイレや床、壁が汚れたままの状態になっている
  • ・布団がそのままでシーツの交換もしていない
  • ・カーテンを閉めっぱなしにしている
  • ・電気代やガス代の請求が明らかにいつもと違う

生活状況も確認する

特に離れて暮らしている場合に確認しておきたいのが親の健康状態と生活状況です。健康状況はコミュニケーションを積極的にとることでだいぶ把握できますが、生活状況は実際に確かめてみなければわかりません。帰省した際にチェックすべき項目を以下に紹介するので、ひとつずつ確認しておきましょう。

  • ・かかりつけ医がいるかどうか
  • ・年金や貯蓄など介護が必要になったときの生活費が準備できているのか
  • ・病気や介護が必要になったときの保険の状況
  • ・地域の介護相談窓口はどこか
  • ・緊急の連絡先

事前の話し合いが重要

いつ介護が必要な状態になるのかはわかりません。今日は元気でも、明日突然介護が必要になるかもしれないのです。突然始まる介護に慌てないためには事前に準備しておくことが大切です。ただし、1人で準備していても負担が増すだけです。他の家族の協力も必要不可欠なので、「誰が介護をするのか」「費用をだすのは誰か」「どこで介護をするのか」を家族内で話し合いましょう。

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    介護は突然やってくる

    厚生労働省の調査によって、要介護と認定されるのは75歳以上の人に多いことがわかりました。親の年齢が75歳前後の人はいつ介護が始まってもおかしくないと考えておきしょう。段差につまずいてよろけたり、電気代やガス代の請求がいつもと違ったりしていたら介護が必要な状態になっている可能性があります。様子を細かく確認していきましょう。

  • 望んでいる介護のかたちを共有する
    望んでいる介護のかたちを共有する

    住み慣れた自宅で介護を希望する人が増えていますが、介護度によって必要となる手助けの程度は違います。自立した生活が送れる状態なら自宅での介護もそれほど難しくありませんが、寝たきりなどの重度の場合は家族よりも介護に詳しい職員がいる介護施設の方がいい場合もあります。本人の希望を優先したいところですが、段階によっては難しくなることも事前に話し合っておきましょう。

  • 介護の人材育成と処遇改善
    介護の人材育成と処遇改善

    医療の進歩により平均寿命は年々延びています。しかしその一方で、出生数は下降の一途をたどっているため、働いている世代よりも介護を必要とする高齢者の方が多い状況です。現在、介護人材不足が問題となっていますが、少しでも多くの人材を確保しようと国もさまざまな対策を講じています。ここでは国が行っているイメージ改善と処遇改善について詳しく紹介します。