費用面について計画しておく
介護が必要になる年齢
65歳から介護保険の給付が始まりますが、この年代はまだまだ元気な人も多いため、介護サービスを利用している人はそれほど多くありません。実際に介護が必要になるのは75歳以降といわれています。といっても、70代で介護サービスを利用しているのは、男性が9.0%、女性が11.6%でまだそれほど多くありません。しかし、80代になると男性が17.9%、女性が27.3%、90代になると男が51.4%、女性が68.8%と一気に上昇しています。このデータから推測すると、介護サービスが必要となるのは男性は80代後半~、女性は80代半ば~と考えられます。
現在、定年退職は65歳としているところがほとんどです。退職してから80代で介護保険が給付されるまでの20年間はいずれ必要になる介護費用を確保するために、貯蓄を維持し、来るべきときに備えてておかなければなりません。
介護資金の準備
介護にはそれなりにお金がかかります。介護保険の給付があるとしても、ある程度資金があった方が安心できるでしょう。そのためにも貯蓄は維持しておきましょう。もし現時点で十分な貯蓄がなくても諦める必要はありません。50代であればあと30年、60代であればあと20年、70代であってもあと10年あります。少しずつでも貯めていけばそれなりの金額が貯金できます。
口座から自動引き落としにして積立貯金をするなど、毎月少しずつ貯金していきましょう。ただし、途中で挫折しては意味がありません。無理なく続けられる範囲内の金額で積み立てましょう。そのためには家計をしっかりと把握しておくことが大切です。支出をチェックし、無駄遣いがないか見直しましょう。
介護費用でもめることも多い
親がある程度の介護資金を事前に準備していれば問題はありませんが、そうでない場合はもめる場合が多いので、事前に家族間で話し合っておくようにしましょう。
民法上では直系の血族や夫婦はお互いに扶養する義務があります。親の介護費用を子どもが負担することも多いのですが、「誰がどの程度負担するのか」を話し合っておかなければ1人に負担が集中してしまいます。心身が疲弊することはもちろんですが、家族間の関係にも支障をきたしてしまうため、「介護」と「費用」、両方の分担を考慮しながら家族でしっかり話し合うようにしましょう。
例えば、長女が「介護」をし、長男は「費用」を負担する、と分担すると負担が集中することもありません。介護はチームプレーです。それぞれの考えを共有し、与えられた役割を担っていくことが大切です。